今回、長々といろいろ書いています。退職してから、1年間が経とうとしています。この1年間のワークショップなどを通して、子ども達から学んだことをまとめてみたいとおもったからです。最後にヴィゴツキーの最近接領域について考えてみたいと思います。
「働き」「学び」「遊び」のバランス・多重知能理論・「ケースワーク」「グループワーク」「コミュニティワーク」の関連性・気分一効果の心理そしてヴィゴツキーの最近接領域に関わることをカプラだけではなくて、他の活動にも取り入れればけっこう上手くいくのではないかとの試みがこの1年間の私の実践だったと思っています。ですから、カプラはその一つの表現方法で、全ての他の折り紙・朗読・ダンス・工作・ゲーム運動・勤労体験・作業などなど何でも応用できるのではないかと思っています。
ヴィゴツキーの最近接領域とは(以下はネットからのコピーです)
発達の最近接領域
発達の最近接領域とは、ロシアの発達心理学者のヴィゴツキーが提唱したものです。
子どもが新しいことにチャレンジする際に、自分一人の力だけでそれを達成できるときと、大人がほんのちょっと手助けをしてあげることで達成することができることがあります。その2つの水準のズレをヴィゴツキーは発達の最近接領域と呼びました。ごくごく簡単に言ってしまうと、その人が持っている成長可能性とでも言えましょうか。
発達の最近接領域の幅、つまり自力でできることと手助けによってできるようになることのズレは個人差があります。例えば9歳の子どもが二人いたとします。1人は手助けによって12歳のレベルまで達することができますが、もう1人は10歳のレベルが限度である、というようなことです。
さて、ここまで子どもを中心に書いてきましたが、これは子どもに限ったことではありません。一般的に「発達」という言葉は子どもの成長を意味することが多いのですが、心理学の領域では発達を一生涯続くものとして考えています。
この発達の最近接領域も多くは保育・学校教育で活用される理論ですが、年齢に関わらず大人にも適用できる考え方です。
大人であっても色々なことに新しくチャレンジします。一番大きなチャレンジは、就職(および転職)かと思います。新人の頃は多少の予備知識はあったとしても、基本的にはド素人であり、現場で色々なことを学んでいきます。ある程度基本的なことができるようになると(3年目くらいでしょうか)、自分の責任で仕事をさせてもらえるようになるかと思います。その際の内容や先輩、上司からのサポートというのは非常に重要になってきます。仕事の内容自体がこれまでと変わらないものだったらなかなか成長することは難しいでしょう。反対にあまりにも責任が重すぎる難しいものも扱いきれずに途中で止まらざるを得ないでしょう。適度な難易度の内容と、適度なサポートを得ることで、技術的にも精神的にも成長することができるのだと思います。反対の立場から言うと、後輩・部下を指導する立場であれば、その人がどのくらいの負荷に耐えられ、どのくらいのサポートをすることによって課題を達成できるか良く考えて仕事を振ることが重要です。そのようにして課題を達成できた場合、自分に自信を持つことができ、仕事へのモチベーションも高まり、さらなる成長の足がかりとなります。(出展ユーキャンの心理学講座
http://www8.plala.or.jp/psychology/topic/proximal.htm)
というものです。
つまり、あるがままの子どもではなくて、子どもの明日を見つけていくことが必要となります。その明日は今日ではなくて、1年後みたいな遠いことでもダメなのです。これを見つけるためには、いつも子どもの目線の下からunderstand(=下側にたって)して、子どもの発達段階を見極めることと、常にこちらも向上心を持って、カプラの活動の次なる展開を見つけていくことが必要となります。旺盛な研究心がなければ、子どもがついてこないことになります。
ユング派の臨床心理学者河合隼雄先生は高校の数学の先生になったのだそうです。でも、高校の先生達に魅力が感じられず、尊敬する恩師に相談をしたとのことです・恩師は
「数学だけを教えていると、自分の今の知識以上のことを学習しなくてもよくなる。そこで腐ってきて、ダメになる」との話をされたとのことです。
河合隼雄先生はそこで数学以外にも自分を磨こうと心理学の学習をしたとのことでした。
カプラの活動において、今までどおりのことを今までどおりにやるのではなくて、子ども達の作品に学び、カプラの仲間から学び、学び続けることが子ども達の明日を見つけることになるのではないかと思います。
私はスパイラルタワーを3月17日に教えてもらいました。そんな話題をカプラクラブで掲載したら、秋田の小学校4年生の男の子がスイスイ作ったとの話が出ていました。恐るべし子ども達。そして私たち大人も負けないぞ。